長編シリーズとしての中だるみ感あり。1・2と安定したクオリティである分、それを越えてくるものがないとマンネリ感あるかも。
冒頭での王騎とエイセイの会話劇はもう少し短くできたのでは？柱の陰で頷き演技を繰り返す信にかなり間延び感がありました。一つ一つのエピソードに時間をかけて深掘りできるのは長編シリーズの良いところですが、単体作品として成立させるためのバランスの取り方には難しさあるかも。てかのんびりしてると馬陽が血の池になってしまうのでは…？
単体作品ということで言うと、今作としてのテーマにメリハリがなかったというか、シカとのエピソードと後半の合戦とがそれぞれ浮いた感じで、別々の原作エピソードをとりあえず並べましたという感じもしました。どのエピソードを取り上げて重きを置くかというバランス感もまた原作ものの難しいところですね。
信のチート過ぎ問題（笑）これは原作シリーズを通して最も引っかかっていることではあるのですが…。今作でも「ヒーローは死なない」「味方に弾は当たらない」という主人公補正があまりにも露骨過ぎて、極論すると今後の全シリーズの緊迫感まで弱くしてしまうかも。「どんなピンチでも結局大丈夫なんだよね？」みたいな。目の前まで信が来てるのに頑なに動こうとしないフウキに至っては、トップロープからのフライングボディアタックを待つプロレスそのものですね（笑）
ホウケン役が吉川晃司だったのはエンドクレジットで初めて知りましたが、エンドロールを見ながら「ホウケン役ができる俳優って誰だろう？」とばかり考えていました。吉川晃司の業界内でのカリスマ性は認めますが、フィジカルな意味での線が細すぎて、戦国時代の武神ホウケンとしてのカリスマ性とは別のように思います。竹内力辺り？
終盤でのホウケンの登場に次作への期待が高まる分、今作がそれまでの「つなぎ」のようにも感じられました。次作での王騎とホウケンの対決に期待！
