たけのこ

攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間のたけのこのレビュー・感想・評価

3.0
ポスタービジュアルのようなアニメ絵を期待していたのですが、個人的に苦手な3DCGとは知らず、「プレステのインサートムービーを2時間観ないといけないのか?」とオープニングで帰ろうとしたのですが、両脇のビッグサイズポップコーン客に阻まれて席を立てず。でもそこからは尻上がりに面白くなり、終わってみれば結構良かったです。

オープニングのトグサパートで何が起きているのか分からず、ずっとこんな訳の分からない映像を見せられるのかとウンザリしてしまったんですよね。ただ観ていくうちに、その場面はトグサ自身何が起きているのか分からない状況だったということが分かってきたので、そこは消化することができました。

オープニングで感じた「プレステ感」もそうなのですが、シーンによって作画やモーションのクオリティにかなりバラツキがあったように感じたのは気のせいかな?
特にトグサが単身で行動する場面でのCGクオリティの低さというか、昼間の屋外での情景描写のチープさが目につきました。暗い画面に比べるとごまかしが効きにくいのかしら?
夜景を舞台にしたアクションやタチコマの動き、ネット空間へダイブするシーンなど、後半はCG表現にマッチするシーンが多く良かったです。

士郎正宗の凄さは、90年代にあのSF世界観(さらに遡ればアップルシード)を提示した先進性にあったと思います。その後のSF作品や現実そのものが追いついてしまい、今の時代に「攻殻らしさ」をどこまで出せるのか不安もありましたが、本作のテーマや世界観は安定した士郎正宗ワールドであり、ビジュアルを除けば今も十分世界レベルに比肩し得るものと思いました。

欲を言えば、今の時代の実力のあるアニメスタジオのアニメ絵で攻殻観てみたいなー。私の攻殻シリーズのビジュアル的な好みは、ほぼほぼ少佐のビジュアルの好みなのですが、一番はTVシリーズですね。絵柄は古いけど。コスチュームも戦闘向きではないかもしれませんけどね!

(追記)
映画館で座席に着こうとすると先客あり。ふと周りを見渡すと客層はお母さんや子供たちが大半。
「攻殻ファンの裾野も広がったなー」と思うはずもなく、即座に踵を返してシアターを出ると入り口のディスプレイには「すみっコぐらし」。
攻殻は隣のシアターでした。手ぶらで渡された特典ポスターをどうやって持ち帰るのか気を取られていたのだな。
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