たけのこ

インディ・ジョーンズと運命のダイヤルのたけのこのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

内容的にはイマイチでしたが、80才ハリソンお疲れ様でした!

冒頭では登場したハリソンの若さ(CG技術の凄さ)にとても戸惑いました。まさに現役時代のインディ・ジョーンズそのもの。前情報を全く入れずに観に行ったので、もしかしてこのクオリティのままで全編行くのかも?と戸惑いながら観ていました。でもそれはあくまで作り物であり、自分がレイダースに心を躍らせた子供の頃から一緒に歳を重ねてきたハリソンではない。私が本当に観たいのはこれなのだろうか?と複雑な思いで観ていました。でもそこを割り切れば現役のインディやハンソロの新作をこれから撮ることもできる訳で、この技術進化は素直に凄いです。

中盤では中だるみ感が否めず。カーチェイスなどのアクションはハリウッド的なテンプレ感が強く、特に老齢のハリソンがお膳立てされた舞台装置の中をお膳立てされた通りにお人形のように動いてるだけの感じもして。別にハリソンでなくても、他のどこかのお爺ちゃんに演じさせても同じようなアクション映画ができちゃいますよねみたいな。どこかで見たようなアクションは控えめにし、歳を重ねたインディならではの知性や人生の深みを感じさせるようなストーリーにしても良かったように思います。

そんな中だるみでしたが、終盤でのまさかのローマ時代へのタイムスリップにはワクワクしました。インディが生涯を捧げた考古学の時代の中に実際に入り込んでいくという展開にはシリーズ完結作に相応しいものを感じ、インディが彼の夢でもある考古学の時代で生きていく=我々観客のファンタジーの中で生き続けていく、というエンドも十分アリ、むしろ胸アツかもと思いました。

それだけに尻すぼみのラストは残念で、壮大な古代ロマンという非日常から日常への切り替えがあまりにも唐突であり、マリオンとの和解もあっさりし過ぎで、納得感もないまま疑問符だけが残ってしまいました。ラストにポッと登場させるだけでなく、もっと本編のストーリーに絡める形でマリオンとの確執や彼女の心情の変化などを丁寧に表現しても良かったように思います。てっきり「過去に戻って死んだ息子の入隊を辞めさせたい」というインディのセリフが前フリで、アルキメデスの時計によってまるで何もなかったかのようにマリオンと息子との平穏な人生が戻っているというハートウォーミングなラストを想像し、インディの息子の登場を今か今かと待ち構えていたのですが、結局は息子を失ったままという寂しいラストでした…。もっと上手いこと持って行けたと思うんだけどな。
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