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ベイビーわるきゅーれ 2ベイビーのSUのネタバレレビュー・内容・結末

4.9

このレビューはネタバレを含みます

まひろとちさとが(ちょっとだけ)恋バナしたり、ちさとが学生の頃関わった男子の話をしたり、神村兄弟の部活ノリ、田坂さんと宮内さんの会社で言う上司と部下的な関わり合いなど前作と比べると人物を深掘りする描写が多く、また、殺し屋協会の"ワクワク殺し屋保険プラン"という制度や社則ハンドブック、神村兄弟が所属する殺し屋バイトという存在など、こちらも前作以上に詳細が描かれる殺し屋業界の構造が示され、殺し屋がより一層現実社会の当たり前の一部として溶け込んでいた。定食屋のお母さんが銃撃を見ても鉄砲ごっこにしか見えていないところなんてアイロニカルでいい。やはりそのリアリティこそがこの映画の良さを引き立てているのだと確信する。
アクションでは銀行での電話機ヌンチャクや着ぐるみバトルが新風で面白く、ラストバトルは前作と一貫して長尺&拳でのタイマン!相変わらず伊澤彩織のスピード感あるアクションが素晴らしいことは勿論、実力的に劣っているゆうりの見せ場を作るために、まひろを圧倒し勝利するが実はそれは失神中の夢だったという表現と、脳震盪で起こる意識障害の感覚を利用した体が地面に倒れるのではなく地面が体に向けて立ち上がってくるというまんま刃牙の表現が上手に使われており唸った、、、正直とどめの一撃はプレーンで少々残念であったものの、前作とは全く違う角度での魅せ方に驚嘆したし見方を変えれば夢半ばで潔く美しく散るゆうりとまこと、そのプロセスに感動することもできる。
また、中盤は将棋漫画かな?と思う時がある程アクションがないが、全編を通してリモート会議や、ツイートしたら炎上発言や、闇営業(闇営業も何も殺し屋なんて全部闇営業じゃん)や"花束みたいな恋をした"の話題からのパズドラしかやる気が起きないんだよね〜とかビジュ爆発とかメゾンマルジェラだね〜とか、「じゃあ結婚しようよ!」もイジられまくり、笑いのために消費される菅田将暉が不憫に思えてきたりと、兎に角時事ネタ+ギャグが満載となっており、挙句髙石あかりの顔芸はもはやポスト佐藤二郎と言っていいレベルに達していた。腹筋に熱を感じるので9割は笑っていたかと思う。
自分でも驚いたが、腹部を銃撃され宮内さんに自分の死体調書を書かせるという掃除屋の鏡と化した田坂さんを見て涙が出た。結局は生きており安堵したが自分がいつのまにか田坂さんの事を相当に好きになっている事に気付く。
本作では田坂さんの活躍が非常に多くなっているが、なんと言っても素晴らしいのは、まひろとちさとが田坂さんを撃ちやがった神村兄弟を殺す許可を得る電話のシーン。田坂さんは前作から一貫して掃除が大変だから綺麗に殺せとかあなたたちはプロですよね?とかぐちぐちと言って来る面倒な掃除屋なのだが、そんな彼が言い放つ「ヤっちゃっていい。グッチャグチャのベロベロのブリッブリにしちゃっていい」の威力!!!更に重ねて「どんなにきたねー現場でも俺と宮内さんでピッカピカにしてやるからなあ!!」「俺の腹ァ撃ったクソ野郎どもをぶち殺して来てくださーい!!」クッッッソかっけえええ、、、その言葉にまひろとちさとがニヤけながら「了解っす」までセットの完璧な流れはベタではあるのだが鳥肌不可避のビジュ爆発シーンであった。嗚呼最高。
粛清さんというワードが出たが正体は不明。続編で描かれるかもしれないが、ちさとがしきりに松本さん(渡辺哲)が強かったと言っており怪しい。
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