Kubo

岸辺露伴 ルーヴルへ行くのKuboのネタバレレビュー・内容・結末

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

その黒い絵は、決して見てはいけないし
触れることも許されない--

黒くて邪悪、ノワール、漆黒。

「深淵を覗くとき、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。」と比喩と皮肉がドッとこちらに押し寄せてくる。

また、その「黒」は怨念でもあり
見た者は、過去に経験した罪や後悔に襲われる。
加えて、その怨念を生み出した絵師もまた苦渋や辛酸を舐めた人生を送っている始末...


映画の画面を通して、観客へも訴えかけてくるその絵の本質を覗くとき
こちらもまた、過去を省みることになるだろう。

250余年もの間、途絶えなかった黒い因果を救うことになった因果関係がまた、" 岸辺(家) "露伴先生へと繋がっていく仕様には、美しいとさえ思ってしまいました。


原作を書いている荒木飛呂彦先生には
頭が上がりません。


P.S. あの絵を覗いて、何もなかった泉ちゃんの能天気さ加減やピュアさにも脱帽です。笑
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