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Of An Age(原題)のchunkymonkeyのレビュー・感想・評価

Of An Age(原題)(2022年製作の映画)
4.0
オーストラリア発!ずばりアンドリュー・ヘイ監督「WEEKEND (2011)」とリチャード・リンクレイター監督「ビフォア・サンライズ (1995)」とルチオ・カストロ監督「世紀の終わり (2019)」のごった煮です🍲そんな本作は、"初恋の味"を前面に押し出していてとにかくエモい&自然体で微笑ましいユーモアにも溢れ、これらの作品と比較して圧倒的に親しみやすい作品になっています😊

1999年12月メルボルン郊外、高校を卒業したばかりのセルビア移民18歳コールは、ルンバの競技ダンス大会決勝戦に出場予定も、なんと当日に唯一の友人でダンスのパートナーでもあるエボニーが行方不明😱なんとか居場所に当てを付け初対面のエボニーの兄アダムの運転する車に乗り込み、彼女をピックアップしに行きます。完全にテンパってるコールに困惑気味のアダム。ぎこちなく始まった二人の会話は少しずつ雪解けし、惹かれ合い、そっと互いの気持ちに探りを入れて。しかしアダムは翌日には大学院進学のためアルゼンチンに発つ。明日には終わりが来る初めての恋、そして時は流れ...

車中でのシーンが多く一見地味ですが、まあ極上の二人の会話シーンをご堪能あれ。少しずつ恋に落ちつつ相手の様子を探る会話と目線がとんでもなく自然で、まるで自分がその場で彼らの立場を体験しているような心地に!自然さの中にも、可愛らしいユーモアやハリウッド映画では馴染みのないオーストラリアネタがいいアクセント。そして、交互に相手を見つめては逸らす目線👀「目で語る」ってこういうことかぁとなるんよ素晴らしい👏

4:3比画面で顔を接写し追いかけるカメラワークは独特の親密さをもたらす一方、相当画面が揺れるので苦手な人はダメかも。あとは、結構劇伴が大音量で主張するのでこれも好みが割れそう。

前述の「WEEKEND」や「世紀の終わり」は、監督が持つLGBTQ+に関するメッセージを登場人物にガンガン言わせてる感が強いのに比較して、本作は極めて内省的で控えめ且つさりげないのも大きな特徴です。でもだからこそ、終盤で胸の内を語るコールの言葉とアダムの涙が深く心に突き刺さりました。初恋の思い出という普遍的な感情と、社会的背景を伴うマイノリティ特有の想いが融合した見事なまとめ方です。

ニコール・キッドマンは侮辱でケイト・ブランシェットが正解🤣
火山噴火で時代を表すのは全然ピンとこなかった...


エモすぎる予告編!
https://youtu.be/ZtfkhimcnLY
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