どーもキューブ

風の谷のナウシカのどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

風の谷の戦争、風つかいナウシカ



1984年作品。
プロデューサー高畑勲。
製作徳間康快。
原作、監督宮崎駿。



2020年7月コロナ禍における劇場リバイバル。スタジオジブリを劇場でのニュース。

4作品の中で劇場で、見たことない作品が「ナウシカ」だった。だから見たかった。

「風の谷のナウシカ」いわずと知れた宮崎駿の原作漫画ありきの長編2作め。
漫画はもっと精緻、複雑、しっかり深化した世界観。ドルグ軍、宗教軍隊、、。
買って読んで売ってしまった。

勿論テレビ放映で見たことあった。VHSダビングしたが挫折鑑賞のみ。途中で諦めるパターン。

ナウシカは好きとかじゃなく、凄い作品みたいな。再見しない感じ。愛着わかない、笑えない、硬い自然派とでもいいましょうか。

宮崎駿原作の代表作。漫画にもなっている唯一の作品。若き日安い1冊1冊を購入し読んだ。テレビで見た世界観よりさらに複雑になっていて驚いた。ドルグ軍とか宗教団体とか。アニメージュに連載しつつ、映画化にこぎつけた作品だった。

ソフト化にあたり度々見るかと思いきやVHSダビングしたが一度も見ていない。今の今まで見てない。何回か挫折鑑賞は度々あった。(オウムを静めるあたしまで)

ビデオ発売
スペシャルDVD発売
ブエナビスタ移籍発売
ブルーレイ発売を見届けてきた感じ。

なんでかなり久しぶりの3回目くらい。劇場は初めて。コロナ対策ばっちしとられた、

時は2020年ソーシャル隣をあける距離一席でイイオンシネマ南さんで、瞬間検温コンピュータにスキャンされつつ(36℃代(初体験))見てきた。お客様入っていた。



いやあ凄い凄い。すごすぎるしかなかった。夢中で次の展開へ次次次どうなるの連続だった。

ラスト付近や途中なんだか涙ぐんだ。完全に完成された世界観にどっぷりつかった感じがした。

まず大前提の当たり前の話。ナウシカの声優の島本須美さんが良すぎる。あの声とあのヒロイン像にまず魅了された。

 ナウシカのヒロイン像が好きじゃないというのもわかる気がする。が、魅力的に体現され声の素晴らしい響きにいちいち聞き惚れてる自分がいたのは間違いない。

ナウシカが導く風の谷の様子。自然の様子、腐った虫だらけのSF世界に我々観客は連れて行かれる。いつの間にか虫が、「オウム」が、暴走する世界に連れてこられる。

虫笛でダンゴムシのようなオウムが沈静化する世界を受け入れていく。

オウムは次第に汚染物やら虐待された動物やら公害の生きる生物にも見えてくる。

単純に宮崎駿の戦争映画に見えた。単純に戦いの映画だ。

国と国
富める国、貧しい国
大国と小国
自然共生と自然破壊
軍隊と自衛
農業と産業

ナウシカを通して、ナウシカと対決する人々を通して様々な思想対立、組織対立がいつの間にか透けて見えてくる。単なるジャンケンのような簡単な対決でわないのだ。複雑に絡んだ世界観、宮崎駿の国家、戦争、対自然が圧倒的に迫ってくる。だから子供時代見たときなかなか馴染まない。むつかしさがあった事がわかった。

勿論虫の世界などないし、オウムいないしなんだが、そこはSF。そこは宮崎駿のファンタジー。超自然派ナチュラルヒロイン像だ。そこに馴染むか馴染まないかだ。
虫がいてデカくて
腐敗世界でマスクなしでくちる世界観

巨神兵いないけどいる世界。復活させる最終兵器、兵器再び、軍縮、軍備増強、捕虜、人質、虐殺。

入るか入らんかは、あなた次第。虫が嫌というのもわかる気がする。なんで世界が虫で破壊みたいな。やっぱり馴染むか馴染まないかはあなた次第。

宮崎駿のSF戦争映画だよなあとみながらつくづく思った。笑えない。クスリとも明るいもしくわとぼけたシーンがない。これも好きになる要因から遠ざかる。

あと全編宮崎駿の「飛行」シーンを楽しむ映画だ。

飛んで、飛行して、何か掴んだり、逃げたり、誘導したり、ぶつかったり、撃ち込んだり、止まったりする。飛行をみる映画だ。

 宮崎駿の「風」を感じる映画だ。風の谷の飛行映画、飛行アニメーションだった。その飛行の中に

「風」とか
「自然」とか
「戦争」とか
「文明社会」とか
「腐敗未来」とか
ナウシカの純真さとか
虫を大事にとか
自然を大事にとか
とかとか。

いろいろ抽象的な意味をいろいろ解釈が出来る。思想対立が一杯描かれていた。

そういう意味やら面白さとか、文脈とかは別の方のレビューやどこぞの宮崎駿本やらネット記事を参照願う。

私は、男の子のアスベルの存在自体忘れていた。その中の他国とナウシカの関係性も今回初めて気づいた。

なんで他国とナウシカの関係性も全く忘れていたのだ。

巨神兵の大きな存在脅かす。宮崎駿のテーマ、「もののけ姫」同様の思考したお話しがある。人間対自然、人間対国家・組織・政治策略があった。

しかし巨神兵がオウムをビームで破壊するシーンを見て何かスウッとした気持ちになったのも確かなんだ。なんだろうあの気持ち良さと悪さの居心地は、。

久石譲の音楽良さ。冒頭クレジットのピアノの響き、オウム登場のシンセの音色はどこか80年代っぽさを感じる。

そしてあの旋律。
「ラン。
ランララランランラン。
ラン。
ランラララン。」

あの子供スキャットの声。劇場に鳴り響く、懐古的な子供声、懐かしいあの声、黄金の黄色画面。素晴らしいシーンだ。またびっくりする瞬間だ。

ナウシカのヒロイン像のカリスマ性に見入る、目を見張って夢中になった。自然を力につけるナチュラル性。テトに噛まれても「ほら怖くない」に何か感じる。

オウムのガラスのような目を爆弾爆破で剣を突くナウシカに魅了される。されなきゃそれまでのお話し。

ラスト
どこぞの多国間紛争を見終えたかのような疲れと安堵と落ち着きを感じ、重たい溜息が出た。重量感ある鑑賞あとの心地よさだった。


さて
宮崎駿の風の谷のナウシカまたは
風の谷の戦争、風つかいナウシカ
風の谷の風と虫を信ずるナウシカ

ぜひ!
宮崎駿ファンはおすすめ致します。

追記filmarks用
この調子で
となりのトトロ(長期ロングランヒット確実)
魔女の宅急便
天空の城ラピュタ(ヒット確実)
コクリコ坂から
等々リバイバルして欲しいもんです。本当に嬉しいリバイバル時期、2020年です。

「AKIRA」もリバイバル、「ダークナイト」もリバイバル。アメリカは「スターウォーズ帝国の逆襲」リバイバルで。嬉しい事にはかわりないんですがね、。胸中複雑なコロナなんちゃらです。ご自愛くだされ。

なかなかナウシカの好きを表現するのってむずいと思ったレビューでした。
となりのトトロが劇場で見たいっすね~

「めいぃぃいちゃややややや~ん」を(北林谷栄)聴きたい。
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