ハル

罪の後のハルのレビュー・感想・評価

罪の後(2022年製作の映画)
3.6
恋人殺しの罪を着せられた青年の脱獄もの。
刑務所へ取材にきた記者を人質に取り無事脱出後は、記者の協力をうまく利用しながら、また記者も彼をうまく使いながら自社メディアをバズらせようとしていく。
“Netflixオリジナル”ということで触手を伸ばしてみたが、台湾の映画らしい。

話としては実に王道。
汚名を被せられ、投獄から7年…
人生がそこで終わってしまうかのような絶望。
自分がもし冤罪で長期間放り込まれたら「もう全てを諦めてしまうかもしれないな…」そう、考えてしまった。
それでも諦めず愚直に真犯人へ迫るさまは鬼気迫るものがあって、どれだけのものを捨ててきたのかを悟らせる迫真の演技!
真実を知りたいのか、かたきを取りたいのか、自分の恨みをはらしたいのか…彼自身もわかっていないように見え、取り憑かれたように走り続ける。

ただ、やはり“クライムサスペンス”としては類似作が多いので、ちょっと既視感に襲われてしまうかも。
そういった懸念点は残すが、ラストの展開は「おお、そちらへ転ぶか…」とまさかの流れ。
苦しく胸が詰まるような終幕、脱獄犯×ニュースキャスターの異色タッグによる見ごたえある一作でした。
なお、名前が覚えづらいのは最大の難点。
ハル

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