たく

カレとカノジョの確率/一目で恋に落ちる確率のたくのレビュー・感想・評価

3.5
ほんのわずかなタイミングのずれから運命的な出会いをする男女を描く王道のラブコメで、ヘイリー・ルー・リチャードソン目当てで観たんだけど一瞬誰?ってくらい見た目がふくよかになってて、ある意味親しみが持てた。原題“Love at First Sight”は「一目惚れ」って意味で、なんだかんだ理屈をこねても男女の恋愛はフィーリングなんだという、考えようによっては身も蓋もない話。そういえば劇中でシェークスピアが言ったという「本当の愛とは一目惚れ」みたいな言葉が引用されてたね。

父の再婚相手との結婚式に向かうハドリーが、予定してた飛行機に乗り遅れて困ってたところに、偶然居合わせたオリバーに手助けされるという絵に描いたようなボーイ・ミーツガール展開。サプライズを嫌うオリバーが数学オタクで世の中のできごとをすべて統計で把握してるのが、彼が恋愛に対してちょっと臆病という映画の重要な要素になってた。これもしオリバーがイケイケ男子だったら、話が90分保たないよね。飛行機に搭乗していったん別れた二人が、オリバーの座席のシートベルト故障で結局ハドリーの隣に来るあたり、もう偶然を通り越して神様が仕掛けた感じになってる。その証拠として要所要所で現れるエキゾチックな女性が神様の使いのような感じで狂言回しを演じてて、ちょっとおとぎ話感が漂う。

恋愛を軸とした話の中にハドリーとオリバーそれぞれの家族との関係が描かれて、欧米独特の家族同士のつながりの強さを感じた。終盤で二人の関係にちょっとした亀裂が生じるんだけど、ハドリーがパーティー会場にバッグごと置き忘れるのはいくらなんでも出来過ぎで、オリバーにバッグを返しに来させるための策略にも見えてしまう演出だった。まあ本作は軽めのラブコメで、深く考えずにサクっと観るのに最適だったね。
たく

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