Kota

マエストロ:その音楽と愛とのKotaのレビュー・感想・評価

3.8
“芸術作品が生むのは答えではなく、問い。”

第90回アカデミー作品賞ノミネート3/10本目。レナード・バーンスタインの伝記っぽくてあまり興味なかったけれど、アカデミー賞きっかけで観てみたらたら、もっと個人的な出会いと別れの物語で、主演二人の迫真の演技に涙腺が…。

前半の魔法のような出会いと高鳴る高揚のシークエンスは映画のようにモノクロでワンカット転換、ミュージカルなどを取り込み、後半現実に打ち当たった二人の中年期からはカラーで、地に足のついた撮影に。監督脚本主演を務めたブラッドリー・クーパーはもちろんだけど、やっぱキャリー・マリガンが良すぎるな…。ロングショットで二人の言い合いを写すのは“マリッジ・ストーリー”ぽいし、彼女が再び夫を愛していることに気づく語りのミディアムショットは堪らんかった…。音楽はもちろん撮影にかなり凝ってる作品だと思う。

テーマだけで食わず嫌いは良くないねと思わされた良作でした。観ていない人は是非。
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