DK

ディープブレス 呼吸、深くのDKのレビュー・感想・評価

4.0
良質なNetflixドキュメンタリーだった。
ダイビングを始めてから、もともとシュノーケリングをしていた頃のようには好き勝手に動けないことを知った。地上と同様に呼吸ができるようにするための器材を背負って潜り自由に潜行浮上を可能にするためには、大袈裟な装備が人間には必要なのだ。
一方フリーダイビングは自らの能力のみで装備をつけたリクリエーショナルダイバーが到達できない深みまで到達し、かつ戻ってくる時にも体内から窒素を抜くための安全停止なども必要ない。

装備をつけて潜る私としては20-30メートルは大したことないが、そこに装備もなく到達するというのは想像もつかない。ある深さを越えると、体内の空気が圧縮され結果としてフリーフォールで深くまで落ちていくといっていたが、怖くないのかなと思った。そして帰りは逆にある深度まではフリーフォールに逆らってフィンキックしないと上がれないというのも恐ろしい。苦しいだろう。
最後のドラマも想像するに恐ろしい。
水平に泳いだ先にあるべきものもいるべき人もいないことに気づいたとき。想像するだけで十分怖いし絶望するかもしれない。

どんな競技ももちろん自由だけどこの競技のエリート選手はかなり危ない。頑張れば良くて失神、ダメならそのまま。
こんな高リスクの競技で得られるものはなんだろう。自己満足以外に何があるのか。
水深100メートルの世界は色もなく自分と向き合うだけの数分なのだろう。
理解のできない世界だったが悲劇が起きなければいい。
DK

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