原題の「quiet girl」がすごくいいなと思う。
それは良いとか悪いとかじゃなくて、この子は物静かなだけ。
ただそれだけ。
リアクションは小さいけれど、嬉しいことも悲しいことも自分の考えもちゃんと持っている、大切にされるべき子供なんだよという本質がぎゅっと詰まってる感じ。
物語にはちゃんと起伏があるし、悲しくて嫌になる展開もある。
もっと派手に「いたいけな少女がこんな酷い目にあっています!!!」と演出する事もできるのに、本作はしない。
物静かなコットの目を通して見る世界はこんな感じなのかなという程度の波の立ち方なのが良かった。
深くはわからないけどちょっと不安になってドキドキする。
多分だけどこれは言っちゃいけない気がする。
なんでかわからないけど楽しい。
心当たりがある感情。
いろんな事がわからないままでも進む時間の中で、フワフワもやもやしたまま生きる姿がとても自然で愛おしかった…
めっちゃ可愛いのよな、コット。
そんな小さな波が一気に押し寄せるラスト、ビックリするほど一瞬で泣いちゃったw
あの後どうなったんだろうね。
ひとつでも、少しでも、幸せな時間が多い人生になりますように。
長い足で、たくさん走って欲しい。
画面が横長じゃなくて真四角なのは、視野が狭い子供のコットの視界を意識してのことなんだって。
そんな画面に映ってる世界が常に綺麗で、思い出すと心が静かになれて、大事な映画の一つになりました。