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コット、はじまりの夏のkuuのレビュー・感想・評価

コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)
4.0
『コット、はじまりの夏』
原題: An Cailín Ciúin/The Quiet Girl
製作年 2022年。上映時間 95分。
映倫区分 G
1980年代初頭のアイルランドを舞台に、9歳の少女が過ごす特別な夏休みを描いたヒューマンドラマ。
第72回ベルリン国際映画祭で子どもが主役の映画を対象にした国際ジェネレーション部門でグランプリを受賞し、第95回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートもされた。
今作品がデビュー作となるキャサリン・クリンチが主人公コットを圧倒的な透明感と存在感で繊細に演じ、IFTA賞(アイリッシュ映画&テレビアカデミー賞)主演女優賞を史上最年少の12歳で受賞。
アイルランドの作家クレア・キーガンの小説『Foster』を原作に、これまでドキュメンタリー作品を中心に子どもの視点や家族の絆を描いてきたコルム・バレードが長編劇映画初監督・脚本を手がけた。
余談ながらコルム・バレードは、ニューヨーク・タイムズ紙やったかな?で、妻と二人目の子供を期待していた時に今作品の原作となった本(クレア・キーガンの『フォスター』)を読み、『アイルランド語の映画として製作したいと思ったみた』いなことを語ってた。
真摯に物語を彩り綴ってた。

1981年、アイルランドの田舎町。
大家族の中でひとり静かに暮らす寡黙な少女コットは、夏休みを親戚夫婦キンセラ家の緑豊かな農場で過ごすことに。
はじめのうちは慣れない生活に戸惑うコットだったが、ショーンとアイリンの夫婦の愛情をたっぷりと受け、ひとつひとつの生活を丁寧に過ごす中で、これまで経験したことのなかった生きる喜びを実感していく。

今作品のシンプルなストーリーテリング
が個人的には気に入りました。
今作品は、人生で最も貴重なものについて、目を見張るような善き作りの作品です。
優しさや、愛、そして、気遣いの大切さを示していて、それがこの物語の一つひとつの側面であると云えるかな。
この物語のもひとつ重要な側面てのは、子どもたちが、たとえ自分の家族であっても、その個性によって環境に溶け込むことが難しいちゅう問題、異なる個性を持つことは難しく、毒・家族の中で増幅される。
毒家族。。。
🙇なんか失礼な言葉やけどつづけますが🙇
特に毒親という側面は、可能な限り見事に表現されているんちゃうかな。
映画のネタバレを避けるため、詳細の説明は避けます。
ストーリーテリングはホントにストレート。
比喩や曖昧なシーンは最小限に抑えられているし、また、今作品には親同士の愛という陳腐な表現が一切ない。
不必要な場面はほとんどなく、シーンの順序も完璧と素人目には見えました。
ただ、少女の実の家族にはもう少し時間があってもいいかな。
それ以外は善きよきヨキ。
ストーリーは、感情的で素敵なラストまで小生を導いてくれた。
撮影もこれまた桃花鳥?違う!鵇?しつこい目にに鴾じゃなく、善哉。
顔のアップと風景が、ストーリーのさまざまな部分の雰囲気作りに役立っていた。
演技も云いねんなぁ(素人目ですが笑)。
これ以上の演技や配役は期待できないんちゃうかな。
特に少女の演技は素晴らしかった。
日本人の子役さんたちこれみて学びなさい。
(小生はただのオッサンですが)
戦争、争い、暴力に満ち溢れ、それらを題材にした映画が数多く作られる中、それらがオモロないと思いませんし、個人的にはよく観てますが、そないなんに疲れを感じたときには今作品は奇跡のような作品になるひともきっとおいでになられると思う。
今作品は、虐待の可能性のある父親を持つ貧しい愛のない家庭の引きこもりの少女が、母親がすでに4、5人いる子供の上にさらにもう一人子供を産む準備をしている間、叔母の家に里子に出される話だけど、少女が里親のもとで過ごす数カ月は、里親の家とは通常どういうモンかと我々の予想に反していた。
ここにも辛い秘密があるが、それは少女が受ける愛と養育の邪魔にはならない。
その一瞬一瞬が大切にされる。
善き作品でした。

少々ネタバレに定食じゃない抵触しますし、ここからは気にされるかたはスルーを。
カッコウの鳴き声は、冒頭とエンディングのクレジットで聞こえた。
カッコウてのは、自分で子育てをするんじゃぁなく、他の鳥の巣に卵を産み、その鳥に子育てをさせることで知られている。
これは、映画のストーリー展開を反映してんのやろなぁ。。。

はぁ暑い日が続いておりますぅ。
皆様、水分補給をお忘れなくぅ。
味つけはせんでええんですわ(料理の心の師土井善晴風)しかし、塩分補給も忘れずに笑。
一汁一菜でいいんですわ。。。なんやそれ笑
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