花火

パスト ライブス/再会の花火のネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

まず最初に思い浮かんだのは、すっごい下品だなこれ…ということ。バーで並んで飲んでいる三人がどういう関係なのか邪推するオフの声、中央に位置する女性へ画面が徐々に寄っていくと、カットの終わり際に彼女がカメラ目線になる。めっちゃ下衆くない?子供時代、公園で遊ぶシーンの妙なオブジェと流れる音楽の「エキゾチックなオリエンタル」感が凄過ぎて観ていて恥ずかしくなってきたわ。というように、劇伴があまりにも露骨に感情操作してくるのでものすごく冷める。おまけに起点となる子供時代はダイジェストみたいに分量が少ないし、そもそもヘソンの人生の描写が絶無に近いので「擬人化した設定」みたいになっているのが痛い。青年期に変わってほんの数カットだけ映される兵役シーン(しかも行進と休憩でメシ食ってるところだけ)をもって、「兵役時代、ずっと君を考えていた」と言われても、観客としては「はぁ」としか言えない。このしみったれた感じ『秒速5センチメートル』みたいだなと思い、こういうのありがたがる人多いんだな…と学びました(横で観てる人が号泣してて引いてしまった)。なるほど確かにこの設定を映画的に洗練させたらベルトラン・ボネロ『けもの』ですね。私はボネロが好きです。
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