ミストスグラチョフ

ビヨンド・ユートピア 脱北のミストスグラチョフのレビュー・感想・評価

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んぬぬぬぬぬ、知らないことがたくさんある、そして日頃いかに知ろうとする努力をしていないか、を思い知る。

北で起きていること、と決して他人事にはできない、かつて同様にして権力による暴力が振るわれていた歴史は他にもあるのだから

北の惨状がここまでというのも知らなかったが、ブローカーという肩書きを持つ人々についての情報がとにかく知らないことだらけで、敵味方の二項対立では語れないと言うか、人間の欲望の汚さを知るというか、じゃあ自分は彼らを成敗できるほど偉いのかと言えばそんなことはなく。

金正恩をどう思うかと聞かれたおばあちゃんの迷いなき最初の回答に、その後の混乱を見て、人間が「どう思うか」というのはその人の「個」から生起するものではなく環世界によって成り立つということを知る。んーなんか違うけど、とにかくあのシーンは、喫驚。

ドキュメンタリー映画としてどうかといわれると凡庸、音楽の使い方とかドラマチックすぎて陳腐な印象、取材している対象のインパクトがとにかくすごいので観ちゃうけど、こっちはこっちでどこまでフィクションかわからぬ