カタパルトスープレックス

コヴェナント/約束の救出のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
4.2
ガイ・リッチー監督らしからぬ戦場を舞台とした骨太な人間ドラマです。

舞台は米軍が撤退前のアフガニスタン。曹長ジョン・キンリー(ジェイク・ギレンホール)は爆弾製造工場を探す任務についているが、なかなか見つからない。そんな中、通訳として地元に明るいアーメッド(ダール・サリム)を雇う。キンリーの部隊はタリバンの拠点を見つけるのだが……という話です。話の中心はキンリーとアーメッドの「絆:コヴェナント」になります。コヴェナントはコミットメントという意味もあり、お互いへのコミットメントの話とも言えます。

自分がアーメッドの立場だったら、その後のキンリーの立場だったら……挫けない自信がない。いや、きっと挫ける。本作でみせるアーメッドとキンリーのコミットメントはまさに不屈の精神といえます。そんな不屈の精神を持ってしても乗り越えられるかどうか分からない困難。

キャラクター造形はキンリーとアーメッドが中心になります。キンリーは序盤から終盤にかけてアーメッドとの絆が深まるにつれてキャラクターに深みが出てきます。ジェイク・ギレンホールの演技はやはり素晴らしい。そして、アーメッドは最初から最後まで一貫しているのですが、ダール・サリムの一貫した演技も素晴らしい。