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コヴェナント/約束の救出のスズキのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
3.4
緊迫感溢れる前半は最高で大傑作だと興奮したんだけど、そこから恐ろしいくらいに失速していった。

さすがにこれだけ無理な展開は実話ベースなんだろうなと思ったらやっぱりそうみたい。

あんなに長い間、ジェイク・ギレンホールにほぼ演技させないのは逆に贅沢なのかもしれないが。

前半の緊迫感を続けて、誰がスパイがわからない展開で90分だったら年間ベスト級の傑作だったのに。
映画なんだから、ストーリーなくても、緊迫感だけでも成立するのにな(まあそうなったらタイトルの意味よ、とはなるんだけど)

走って移動してるのにすぐ見つかってるから、そのあと100キロ近く徒歩で見つからない設定はさすがに無理に感じるのよね。この辺の作劇の下手さ。
家に隠れて見つかってるのに、負傷してからゆっくり準備するのも変。あの辺はサクッと短くやらないと。その辺の盛り上げ方とかがとにかく下手。編集も下手。いかにも盛り上げるぞという感じの劇伴も下手。後半はメジャー邦画観てるみたいだった。

タリバンもアメリカもクソに描いてるのは好感。5万人も通訳いたの知らなかったし、普通に仕事が終わったら家に帰してるのも信じられなかった。マジで人間を駒としか考えてないんだな。

後半の「漢気」「任侠」みたいなノリとか、理解ある妻の描き方は昔のやくざ映画みたい。こういうの万国共通なのかな。実際、命をかけてまで助けにいくのはシンプルに凄いし真似できないんだけども。

駒としてしか使われないアメリカ兵が現地通訳に助けられ、その恩返しをする話。
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