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ストーリー・オブ・フィルム エピソード13. フィルム時代の終焉の1のレビュー・感想・評価

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1990~1998 フィルム時代の終焉、デジタルフィルムの到来前

ジュラシックパーク,マトリックス,ターミネーター2などデジタルフィルムを活用した新時代のエンタメ映画を軽い紹介で済ませ、花様年華や日本のホラーをメインで紹介,解説するあたりがいかにもこの映画史解説シリーズらし買った笑

デジタルフィルムに反抗するかのように相反するように、生身の感情の映画が世界中で生まれる90年代を切り取り解説していく。

ドキュメンタリーチックな自伝映画として、イランの映画監督マフマルバフの「植木鉢とパン」を紹介する(氏曰く、自伝映画の最高傑作とのこと)

一方、香港ではフィルムの魅力を捉えたような作品が出る、ウォンカーウァイの初期の傑作「恋する惑星」が発表される(3/4拍子の音楽、ドラマチックな突然の雨、ファスビンダーやT・デイヴィスの作品のように期待は去り、恍惚感が漂う映像)
そのほか、ホウシャオシェンへのインタビューなどを通して当時の香港映画のリアリズムにも迫る


ベルトリッチは「ツァイ・ミンリャンは映像言語を再発明した」と発言するなど、この時代の台湾の映画監督にも言及

そして話はJホラーへと移る
90年代のJホラーを知る上で欠かせない人物が、先駆者の1人、日本のサイバーパンク塚本晋也である。(クローネンバーグの映画は「鉄男」のお父さんのような存在で影響を受けている(テクノロジーと生身の体を有機的に繋いでいる)とのこと)

「リング」で有名な中田は悪霊信仰と優美さをホラー映画に導入した

三池崇のオーディション

日本の監督は静寂との対比として暴力を描き、そこに機械,戦争,原子力などを詰め込み極めて独特のホラー映画を作り出した(仏教的)

L・V・トリアーはブレッソン,パゾリーニらを参考にし映画の原点に立ち返る映画を作り、映画は純潔さを失ったと宣言する。

CGが登場する前の映画の原点への賛美である

L・V・トリアーは度が過ぎる映画の利点は「記憶に残るし、どんな映画か振り返ること」だと語る。
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