伊達巻

夜明けのすべての伊達巻のレビュー・感想・評価

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
2.5
何言ったって言い訳が必要とされる(そしてそれは言い訳だからという理由で拒絶され軽蔑される)理不尽さに対してそんなに器用には生きられない主人公がわめいたり反省したりするから序盤こそおもいきし感情移入して泣きそうになったりしていたがこの作品のテーマであり劇中でも言及があった「救い合う」ということについての描き方が終始あまりにも文字通りのまますぎてつまらなく感じてしまったりもした。用意された悪意はあるんだけど、正しい優しさのもとに慰められていくだけで誤解を恐れながら言えば面白い展開とかはまるでない。なにも悪い映画じゃないはずでだから余計に飽きたりする。とても良い映画だと思った瞬間もたくさんあったけど全体としてあまりにも印象が薄くてそう言うのもなんだか憚られる。みんなで生きることのよろこびとかそういうの別に良いんだけど、例えばみんなから嫌われている(俺はそう感じてる)『PERFECT DAYS』の平山を思い出して帰り道はサントラ聴いて、流石に比べるわけじゃないけど俺はこっちがいいですという気持ちになった。もちろんこの感想ってこの映画が描いた事実の重要性云々とかとは全く無縁のものであって。『ケイコ〜』もそうだったけど、捉えきれない悪い意味での曖昧さとか、些細なやり取りとか含めてどうにも好きになれない。主演の2人はとても良かった(あんま好きじゃない映画の感想文の最後に書きがち)
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