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夜明けのすべてのfilmaholicのネタバレレビュー・内容・結末

夜明けのすべて(2024年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

あなたに私の気持ちなんてわかるわけないでしょ!
私の一体何がわかるって言うのよ!

あまりにドラマや映画で聞きすぎたセリフ。

その答えとやっと出会えた気持ち。

申し訳ないけど、経験しないとわからない
それがすべて。で、それでいい。
なんなら同じPMSでもパニック障害でも個人差があって、自分もそういうものでありながら、寄り添ってくれた人に同じにしないで、ランクが違う、みたいな言葉も出てしまう。だけど、ずっとそうじゃないから、そういう言葉が出てしまう時もあれば、そういう言葉を吐いている人を俯瞰して見ることもある。助けることができる時もある、が全てすぎた。
誰だって目に見えないものを抱えているし、視点を変えて見れば抱えているつもりがない場合もあるかもしれない。あの2人があの栗田科学に出会えてよかったし、藤沢さんと山添君がで会えてよかった。
作り話でもそう思える、で、作品の良いところは、お互いが恋愛感情では相手を見ていなかったこと、家に入れる、髪を切る、生理の話をする、一見異性にはどれも難しい気がするけど、そういうんじゃないってお互いに一致していた、家族でも友達でも恋人でもない同僚についてもすごく考えた。
一人暮らししてればもちろん、なんなら家族と暮らしていても年間で見れば余裕で職場の同僚と同じ空間にいる時間って長い、すごく不思議。

私はPMSはそこまで酷くないけど毎月お腹は痛くなるし、あと頭痛が生理に関係なくひどく、時に頭を抑えてうずくまって、座っていることすらできないこともあってMRIを受けたりもして。要は、車椅子とか片腕がないとか見た目でわからないことって、ほんっとに周りにはわからないし、優しくしてよ、とか望まないし望まれても何もできない、だけど、今そう、って知ってくれてる人がいる、ぐらいがすごく救いになるって改めて実感した。見てよかった。
映画館でいびきかましてたおっさんも、隣で突然泣き出した女性も、電車で苛立ってる人も、何かあるのかも。ずーっとそうじゃないけど周りに迷惑かけてしまうような態度なのかも、皆がそう思えたらいいけどね。心に余裕のある人だけがそうできる、ではなくて、心にゆとりが少しある時もあるからその時は他者を少しは思える、から始めたい。
髪、ほんとに伸ばして切ったのかな、おもしろかった笑
あと、栗田科学はセット?ほんとに存在する企業に俳優がお邪魔してる?よな?あまりに細部まで中小として完璧すぎる、給湯室の配置とか電話の位置とか、立地とか、作業室の感じとか...オール道具じゃないような..
あと知った俳優が7人ほどしかいなくて、おじさんがたがあまりに自然な従業員に見えた笑
星も相まって、とても感動した...
松村北斗、上白石萌音、声も十分レベル違いな商売道具な2人の、再共演にはもってこいの作品すぎた。すごくよかった。
生理の時とそうじゃない時の表情も素晴らしいし、北斗君も全編通してかっこいいんだけど、いそう、ですごかった。
2人とも芝居なのがすごいのよ、ほんと..
そして、病名や症状に名前があって、自分がそれってわかってることがすごいし、なんとかの会みたいなのも行くことがすごい、結局自分が動かなきゃいけないから。一人でも多く、動ける時に動いていますように
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