それぞれの特別を、それが当たり前にあるということを、普通に描く。
"第一印象は当てにならない"って、山添くん…そりゃこっちの台詞やで…。
迷惑をかける度に、詫びのお菓子を職場に持って来る藤沢さん。
自転車やお守りをあげる藤沢さん。
気遣いや優しさの表現として、彼女には誰かに"与える"描写がよく出てくる。
中盤、山添くんと食べていたお菓子の残りをめぐるシーン。
本当になんてことのないやり取りと台詞だったのだけれど、(彼に対する)彼女のささやかでいて、でもはっきりとした変化に泣いてしまった。
全編に流れる優しいBGMも、まるで〈苦しみや喜びを持ち歩き確かに日々を営む人々〉という星々を観測しているようで、本当にプラネタリウムのような映画だった。
光が照らしてくるのは、みんなが自転してるから。