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テルマ&ルイーズ 4KのRYOBEERのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)
5.0
この作品に出会ったのは今年の1月。

前の日に『タッカー&デイル』を観たのもあって、〇〇&〇〇の人名タイトル繋がりで、あらすじも見ずに何となくサブスクで再生した。
ナイス1月の俺。

見始めて10分もすればテルマとルイーズが大好きになる。
どうやって親交を深めたのは分からないけれど、ふたりの間に流れる空気で色々なことを想像させるやりとりが絶妙で。(細かい裏設定とかあるんかな?)

〈あっ、これ絶対面白いやつ〉と確信して
、ぐにゃりとソファにもたれかかっていた背中を正す。

そうして気まぐれにリモコンを操作した2時間後には、オールタイムベストに入る映画がひとつ増えていた。

後で調べてみると、3月に4Kでリバイバル上映があると知る。
何ちゅうタイミング。

初めから映画館で観ればよかった…
いや、でも知らなければ劇場に足を向ける事も無かったのか…
悔しいからスコア4.8にしよ…(意味不明)

なんてパラドックスと混乱に陥りつつも鑑賞してきました『テルマ&ルイーズ4K』。実際は2Kですが。


捉え方によってはあの事件を契機に自己を解放して生き切ったふたりの、ある種の気持ち良さはある。
ラストカットは美しいと感じたし、神々しくさえ映った。

でもあの運命を辿るしかなかった境遇や環境を想うと、どうしたってハーヴェイ・カイテル演じるハル刑事の目線になってしまう。
最期に手を高く振り挙げながら走り、ふたりを追いかけたハルのその後の事を考えてしまう。

"君たちを救いたい"と差し出した手を結果払われた形になった彼は、どうすれば良かったのかとこの先自問自答し続けるだろう。

クソな獣達に、そいつらがのうのうと生きている世界に銃を突きつける役目を彼女たちに課してしまったことを悔やみ続けてしまうに違いない。
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