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AIR/エアのsakuのレビュー・感想・評価

AIR/エア(2023年製作の映画)
5.0
映画館で観たから観てだいぶ経ってしまったが、、アマプラで再視聴。改めて観てもおもしろい。見ごたえあった。エア・ジョーダンの開発話だが、担当者のソニーの情熱が契約を勝ち取る。…って簡単に言ってしまうとそうなんだが、それはもう紆余曲折する。仕事するっていうのはこういう事だと言われてるような気がした。

マイケル・ジョーダンの母親役が落ち着いたトーンの話し方で良かった。調べてないけど、案外若い役者さんでは?かなり重要な立ち位置だが、最後の最後、ソニーとの交渉のシーンが素晴らしい。ソニーも信念をもって交渉に臨んできたが、母親もまた強く心からそう思ってないと、あの条件は出せないと思った。マイケルの名前を冠した靴が売れたら収益の一部をジョーダンに払うというものだが、常識的にあり得ない条件で普通はソニーのような反応になると思う。当初は会社が25万ドルを3人の選手獲得に使おうとしていたのをやっとの思いでマイケル1人を獲得するために使う許可を得ただけに、「あり得ない…」と思ってしまうのは無理もない。

結果をフィル・ナイトに伝えに行った時は「ダメだった」を伝えに行く訳だが、その時のこのNIKE創業者の判断が凄かった。実際にそう言ったかどうかは別として、映画の中のセリフでは、

Fuck it. We should do it
Close the fucking deal.
That’s how I built this company.

しびれる。NIKEが会社名をNIKEとする以前、ブルーリボンという社名だったが(改めて観たら映画の冒頭で出てた)、「こうやって会社をつくってきたんだ」と契約に向かうソニーに言う。

有名な話だが、NBAの規定だと靴の色として白が51%じゃないと罰金を払わないといけないところ、エア・ジョーダン1のデザインとして敢えて赤を多くして、試合のたびにNIKEが罰金を払ったというのも、プレゼン前、靴のデザインを決める時、マーケティングのストラッサーの案として表現されていた。それがかえって評判になり宣伝になると。What about more red ? がその時のセリフ。

当時のバスケシューズ界のシェアが映画の中で語られるが、えっ、そうだったんだ?ていう驚きで、コンバース、adidas、NIKEという順。まさに逆転劇だったのだろう。

それと、80年代の音楽がふんだんに使われていて高校時代よく聴いてただけに沁みました。そして、かく言う私はエア・ジョーダンを4足持ってたりします。
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