尾崎きみどり

SISU/シス 不死身の男の尾崎きみどりのレビュー・感想・評価

SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)
3.5
去年映画館で見逃したので配信でようやく観られて良かった。話の作りははやや甘いがやっぱり面白い。お年寄りは舐めてはいけないという基本的な敬老精神の大切さを教えてくれます(?)
〈よく分かるあらすじ〉昔々とあるお爺さんが金塊を掘り当てました。するとたまたま通りかかったナチスに金塊と命を狙われました。頭にきたお爺さんは元特殊部隊所属の経験を生かし全員を返り討ちにしました。おしまい。
〈ネタバレ〉犬は可愛いし死なない。

ストーリーはシンプルだが、主人公の尋常じゃない打たれ強さのお陰で唯一無二の作品になっていると思う。数多あるナチス絶対コロ助映画の中でも異色。90分という長さも丁度よく中弛みしない。
最初はナチスに追われ返り討ちにして逃げていたのだが、ある時点からナチスを追う側になる。ここから俄然面白くなった。
戦闘シーンはそうはならんやろ?いやなっとるやろ!が基本。ツルハシ怖え。猟犬を撃退する方法は捨て身が過ぎる。そんなん思い付かんわ普通…。
ゴア表現はどんどんエスカレートしていくのに主人公の淡々振りは変わらないので笑いが止まらなかった。
兎に角主人公がタフでヤバい。彼は反撃に遭うこともあるし怪我もするので特別強い訳ではない。ただただ死なないのだ。
「彼は不死身じゃない、ただ死のうとしないだけ」
という劇中の台詞の通り、銃で撃っても地雷地帯にハメても首を吊っても倒せない。最後の飛行機とか何で死なないのか。最早どうやったら倒せるのか皆目検討もつかない。新しい怪異だとか違う星から流れて来たとか実はプレデターだとかいう設定が生えて来たほうがまだ納得がいく。シモ・ヘイヘを擁するフィンランド軍が手を焼くってどんだけー。
何をやっても生き返ってくるとかもうナチス側から見たら完全にホラー。そう考えるといくつかの復活シーンなんかシャイニングみがある。
深入りすんなっていう司令官の言葉、素直に聞いといたら良かったのにね。
人質の女たちが参戦する所も定型的ではあるが面白かった。
ナチス側がバリエーション豊かな殺り方で景気よく殺られているが、どこか現実味がないので痛そうに見えない。それよりも主人公が自分の傷を治療している時の方が痛そうだし怖かった。
えっそんなところにナイフを?!えっペンチはそう使うのですか?!ギャッ!傷口にそれを!?ってなったのでマトモに見てられなかった。苦手な人はお気をつけ下さい。
尾崎きみどり

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