鹿苑寺と慈照寺

犬人間の鹿苑寺と慈照寺のレビュー・感想・評価

犬人間(2022年製作の映画)
3.7
なんだこのお洒落なオープニングは。モーニングルーティンかと見紛うほどの朝食風景。再生する作品を間違えたのかと思った。ていうか美味そうな食事だな。
そんな思いも束の間、犬人間のカットインで途端に不穏な空気が流れる。なかなかお洒落で不気味な開幕が素晴らしい。

オープニングこそ不気味な雰囲気が漂う感じに惹き付けられたけれど、それ以降は微妙だなあと思いながら鑑賞していた。題材は尖ってるのにそれ以上のエッジが効いてないなあと。犬人間が反逆したときの「お仕置」も「ギャグなのか???」と笑っちゃうほどの感じで、ああそっちなんだと思いながら観ていた。肩透かしというか、狂気が足りないというか。

そして、ラスト。一瞬どういうこと???と思ったけど、少ししてうわっとなった。何とも気持ちの悪いラストだけれど、北欧映画ということで妙に納得感があった。そうだ、北欧のホラーってこうだった、と。
誰もが想定できるラストからさらに少し先を行っていて、気持ちが悪いし、唸った。凄い。

イケメンくんの動機は不明だけれど、思えば最初からイケメンくんは犬人間をペットとして扱っていた。だから、あの程度の「お仕置」になる。あくまで彼は飼い主。そんな彼が次に飼う対象が示唆されて本作は終わるが、それを考えると、気持ちの悪さとともに妙に考えてしまう。本当に気持ちの悪いホラーだ。ラストですべて持っていったから中盤の退屈さはすべて消し飛んだ。


以下は個人的なメモ
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Tinderやん。笑
ていうかスーパーライクしてる笑

犬めっちゃ覗き見してる。

「デートした相手は超がつくほど億万長者」

「犬みたいじゃなく犬だ」

「僕たちに携帯は要らない」

大音量を聞かせるっていう謎の拷問

ヘッドホンしてるから背後の気配に気づかないとかめちゃくちゃ間抜けやん。
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