氷雨水葵

ヴァチカンのエクソシストの氷雨水葵のレビュー・感想・評価

ヴァチカンのエクソシスト(2023年製作の映画)
4.5
2023年77本目

スクーターに乗ってるラッセル・クロウ愛らしいね!?

◆あらすじ
1987年7月、主席祓魔師のアモルト神父(ラッセル・クロウ)は、ローマ教皇の依頼を受けサン・セバスチャン修道院へ向かう。

そこにいたのは、悪魔に憑依され変わり果てた姿となった少年ヘンリー。

絶対に知り得ない自分の過去を話す少年を見て悪魔の存在を確信したアモルト神父。若き相棒トマースとともに悪魔祓いを試みるが―――。

◆感想
やっと鑑賞してきました!巷では『ヴァチクソ』と呼ばれているらしい(笑)

いや~ラッセル・クロウ演じるアモルト神父良いですね!?神父服着てても体大きいのわかるから、ホラー映画お得意の神父が役に立たないなんてことはなかったし、むしろ悪魔に対してオラオラなパワー系で最高やった。そんな彼が小さなスクーターに乗って現場に向かう姿がとにかく愛らしい。しかも、外見からは想像もできないほどコミカルな人物で、ジョークを言うこともしばしば(笑)骸骨(頭部)を持ち出したときは何事かと思ったよ。トマースは耳を噛まれてそれどころじゃないのにな!?エクソシズム映画はずっと殺伐としているし、序盤から気の抜けないことが多いけど、本作はユーモアとホラーがいいバランスだったような印象。といってもホラー要素のほうが多いのだけれど。
相棒の若き神父トマースもよかった!最終的にはアモルト神父とバディを組むことになるわけですが、ここから悪魔祓い巡業がはじまるんですね!ラストの締め方よかった!!

本作で驚いたのは、ガブリエーレ・アモルト神父が実在の人物(~2016年没)で、生涯で行った悪魔祓いの数が数万件にものぼるということ。しかも、ヴァチカンのローマ教皇に仕える主席祓魔師(チーフエクソシスト)だそうで、国際エクソシスト協会会長まで務めた人物。原題『The Pope's Exorcist』だもんね。本作は彼の回顧録がもとになっているそうですが、脚色されているとはいえ、内容を見るとかなり壮絶💦
悪魔祓い案件の8割は精神疾患によるものだとアモルト神父は言っていたけれど、本作で描かれているのは残りの貴重な2割に入る紛れもない’’真実’’で、それを考えるとほんとうにゾワッとしますね…。
本作の見どころは、アモルト神父による悪魔祓いに加え、荒れ果てた修道院に隠されているヴァチカンが隠匿してきた真実が明かされるところ。

本作を観て「お!」と思ったのは、ウィリアム・フリードキン『エクソシスト』でおなじみの’’スパイダーウォーク’’。ヘンリーからエイミーへ、ここからさらに恐怖や悪魔の支配が増していくのだと思わせてくれる演出でした!!
てか、子どもたちの演技すごすぎた!とくに、終盤まで悪魔に憑りつかれる弟ヘンリー。特殊メイクやCGの部分はあるだろうけど、悪魔らしい形相というか、アモルト神父に好戦的な雰囲気があってすごかった。

終盤の悪魔祓いシーンは、特殊効果のおかげか壮大な感じになっていて、でもエクソシズム映画らしく最後まで不気味で、ただ終わったあとはほっとできて、なぜか観ている私まで救われたような気がしました(笑)

ぜひ続編を!

TOHOシネマズにて
氷雨水葵

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