ドント

けんか空手 極真拳のドントのレビュー・感想・評価

けんか空手 極真拳(1975年製作の映画)
3.5
 1975年。空手是殺人拳。全日本選手権に出て優勝したはいいものの当時の空手世界で主流を占める「寸止め」流に嫌気がさした実践空手の祖・大山倍達の若き日々(暴力、殺人、牛殺しなど)を描く。
 マス大山の力強さが宿ったが如く大会!対決!失望!強姦!告白!弟子!修行!牛殺!喧嘩!逮捕!悲劇!殺人!とノンストップでかつ必要最低限でキッチリ語りきるスタイルで進んでからの贖罪物語がやけに長くバランスが悪い。しかしその贖罪からの空手解禁が「子供が人質にとられた」とか「大切な相手を傷つけられた」などによらず、遺族に許された直後、すぐ襲われたので、即殺す、という激烈さであるため、物語の不均衡がどっかに飛んでってしまう。
 さらにタガが外れたようなラストバトル。道場殴り込み~神棚破壊・挑戦状叩きつけ~野原での多数の敵どもへの一方的な暴行を見せつけられるに至り細かいことはまるでどうでもよくなる。さっきまで「ウヌヌッ……空手はできん……!」とか言っていた奴が棒で人間の顔面を貫通させるのだから素晴らしいとしか言いようがない。元気が出る、むしろ元気以外の何をもらってもいけない体力増強映画である。
ドント

ドント