YuukiTeramoto

ミッシングのYuukiTeramotoのレビュー・感想・評価

ミッシング(2024年製作の映画)
5.0
(最後に失踪事件がどんな状況かは監督もインタビューで話してるからネタバレではないと思いますが、そこについて書いてるので見たくない方は❌)





ここ数年で最も泣いた。だけど、なんの涙かは自分でもよく分からなかった。感動では絶対なく、悲しいもなんか違う、つらいが一番近くて実際つらくて泣きそうになるシーンはたくさんあったけど、クライマックス付近でずーーっと泣いてたのは、なんかそれも違う。
とにかく感情を揺さぶられてしまった、というのが一番しっくりくるかも。

子どもが帰ってくるわけじゃなく、状況は何も変わらず、そういう意味では主人公も夫も全く救われてないんだけど、二人が確実に前を向いて歩くことも出来始めているクライマックスは、もう涙が出て止まらなかった。耐え難いほどつらいことがあって、それが解決しなくても乗り越えられなくても、その悲しさつらさ悔しさを抱えたまでも、前を向くことはできるんだな。

吉田監督の映画はマーティン・マクドナーの映画と同じく、人間の悪意や醜さのなかにほんのわずかな人間の善性、優しさを見せてくれるから大好きなんだな、私は。

すごく個人的なことなんですが、失踪する娘が長い髪の6歳の女の子で、私の姪と全く同じで、それもあって相当つらかった。劇中の弟と同じ立場なんで、彼が自分の感情を吐き出すシーンはめちゃくちゃつらかったし、その後の彼なりの姪への思いを現す行動にも涙が止まらなかった。

子どもがいる方はかなりキツイと思うので、安易におすすめできない。でも間違いなく傑作。

映画見終えてマック食べながら姪甥の写真や動画見てたら泣きそうになってしまった。行方不明の家族を探すビラ配りしている人を見かけたら、絶対にビラを受け取ってちゃんと目を通そうと思う。
YuukiTeramoto

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