スズキ

ネクスト・ゴール・ウィンズのスズキのレビュー・感想・評価

3.1
『ジョジョ・ラビット』が大好きで、同じ監督の新作だから期待してたのに、どうしてこうなったんだろう。

タイカ・ワイティティには、常に100点満点を目指してほしいのに、70点満点を目指して60点台みたいな映画だった。しがらみとかで断れなかったのかな。ニュージーランド出身だから、その辺の絡みなのかも。悲しい。

基本的にはギャルマインド溢れる監督だから、陽性のヴァイブスは感じだし、ジャイナをはじめ、キャラクターも濃いから、それなりの愛着は感じる。
映画として失敗してるわけではない。
だけどさ、こんな擦られまくった展開の話を、なぜ2020年代に作ろうと思ったんだろう。サッカーも絶対興味ないよね。映画を見るのが初めてな観客ならそれなりに楽しめると思う。でも似た映画が既にたくさんある。それらの映画を明確に超えた部分とかは皆無。マジでなんで今こんなの作ろうと思ったんだろう。サーチライトはなんでOKだしたんだろう。良くない邦画を見てるみたいだった。正しい物語を正しく語っただけでは面白い物語にはならない。

世界で1番弱いサッカー国が、史上初めてW杯予選で1点とる話なんだけど、設定してる物語のゴールが低すぎないか。それともゴールが低すぎても面白い映画を作れるという挑戦をしようとして失敗したのかな。きっと何らかのどんでん返しがあるはずだと信じてしまった。何もなかった。

『ジョジョ・ラビット』は、ユーモアにしづらいストーリーだからこそ、そのユーモアに感動したけど、本作は当たり前の話を当たり前に描いてるだけ。今さらスポ根ものにもできないだろうし、本当にマジで、なんで?がずっと頭の中に浮かび続けていた。

監督本人がオープニングから登場し、途中も登場するけど、意味あったのかな。

アメリカ領サモアとサモアが別の国って知らなかったな。ひとつ勉強になりました。地理的には近いんだ。
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