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キングダム エクソダス〈脱出〉のstのレビュー・感想・評価

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キングダム夏期講習最終日。冒頭からいきなりメタってんなー(笑)って思いながら観始めた。途中も観光客とか来だすし。脚本も半分くらいギャグ。アイロニカルさに磨きがかかってておもろいし、トリアーの同族嫌悪ぶりに笑った。(デンマーク人バカにしすぎてて大丈夫か?と思ったけど庵野秀明とか岡本喜八も似たようなことしてるか。)酒飲みながら同郷の有名人挙げてくゲーム、『逆転のトライアングル』での資本主義/共産主義名言ゲームを思わせるし、同作監督のリューベン・オストルンドもスウェーデン人だし、ニュアンスは違えど何かと通じている。
『ヘレディタリー』(夢遊病)、『アス』(ドッペルゲンガー)、『8 1/2』(祝祭性)、『第七の封印』(死神)、『女神の継承』(祈祷とか除霊)など新旧の色んな要素を感じる。ビッグブラザーはサンダーキャットの『Drunk』(のジャケ)か?とか。みんな大好きウィレム・デフォーはハマり役すぎて違和感無さすぎる。ミカエル・パーシュブランドは髪型のせいか毎度デヴィッドリンチに見える… あと髪結んでる時のアンナ(ツヴァ・ノヴォトニー)美人すぎ。弁護士のアレクサンダー・スカルスガルドとガチ夫婦なんですね。
肝心の「エクソダス=脱出」要素については、まあそうなるよね…という感じ。匙投げ大爆発、潔くて良いと思う。全編を通じて、「善も悪もあると心得よ。(ただしこの世は往々にして悪である。)」というトリアーの心の声が聞こえる。沼での「漂白」に始まる本シリーズ、(漂白により)洗浄された"魂"は、"紙パック"に形を変え、海を「漂泊」する。魂の漂白と漂泊。不滅の魂は、また形を変えどこかを漂うかも?
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