ラップ好きな青年・アントワーヌ(MB14)が、オペラ教師・マリー(ミシェル・ラロック)と出合い、才能を開花させていくというヒューマンドラマ。
『エミリー、パリへ行く』のリュック役でお馴染みの、ブルーノ・グーリーも出演している。
劇中すべてのオペラを歌唱しているというMB14。彼の最初の歌声はゾクリとするほど素晴らしくて、胸に刺さった。
彼の才能を一瞬で見抜いたマリーと、アントワーヌのオペラへの温度差を感じながらも、少しずつオペラに魅了されていくアントワーヌと共に、物語は進行していく。
パリ・オペラ座のガルニエ宮・グラン・ホワイエの建物や内装が本当に魅惑的で、この世のものとは思えない美しさ。
そしてマリーの部屋は、生け花の生け方や、家具や小物やファッションなども洗練されているのでとても参考になるし、こんな美しい物に囲まれて生活したい。
自分のいるべき場所だと思っていた場所は、自分が望んでいた居場所ではないと気付いた時の葛藤や、喪失感なども描かれていて、探し求めていた答えはラストにあった。
エンディングで流れるMB14の『Ma place』の曲でさらに余韻に浸れた。
素敵な作品だった。