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PERFECT DAYSのcyphのネタバレレビュー・内容・結末

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

10段階で2なので星1.0です おっさんと為政者の夢(都合のいい妄想)を延々見させていただきまして…という感想 公衆トイレという公共の場のプロモーションのためにつくられた映画でこんなんしたらただのファッキンプロパガンダじゃんか 太い実家・いざとなったら頼れる家族を敢えて捨ててファッション貧困「風」生活を豊かに送ってるその隣に年金暮らしでこの風呂無しアパートにしか暮らせないガチ貧困にあえぐお爺さんが住んでいない方が不思議なわけで、「風呂なしアパートが若者に人気」って嘘っぱち記事と同じ胡散臭さがある そういうひとが実在することを否定するわけじゃないけど、それだけを取り上げるのはやっぱり都合の悪い何かを透明化することだと思う

せめて平山という男に説得力のあるリアリティがあればそれはそれとしてで見れただろうけど、毎朝扉を開けて空を見上げてニカッと笑うショット、あの時点でア〜この程度なのか(このくらいわかりやすさに心を砕いたテレビCM並みの小芝居でこのテーマをやってくのか)と心折れてしまった パターソン的なことをやりたいんだろうけどあの映画も「僕はこんな暮らしだけどハッピーで仕方ないんだ!」とここぞとばかりにアダムドライバーをニコニコ笑わせたらちゃんといまと同じ心境になってたと思う 観測されないものを観測している、て感動をここまではっきり遠ざけておいて観測で感動させようとするのはさすがに無理ある 人間の距離の取り方や衛生観念、何もかもがフィクションすぎて悪い意味で低予算自主制作映画みたい(それはむしろ誰か日本人が修正すべきとこではって思うけど)

寡黙に働いてるだけでなんとなくいいかんじの美少女や美熟女に接近される、元夫という男(この三浦友和はこの作品で唯一い得ると思える人間だったとは思う)と女の譲渡会していいかんじになるっていうのはもうおっさんたちの永遠の夢なんだろうから別にいいんだけど(都会のアリスから始まってるひとなわけだし)それでも2023年に、あえて憧れのトーキョーで、これやる意味ある?とは思ってしまう 東京画はヴェンダースが撮った意味超あってよかったのにな あと小津リスペクトのアスペクト比なのかわからないけど撮りたいものとぜんぜん合ってない、絵もぜんぜんよくない 音楽がいいだけ

東京は小津が生きたあの幸福な時代から遥か遠く、酒や音楽や文化を真っ先に見捨て、ホームレスの住処を奪い、やった感を出すためだけに木々を伐採し、貧しさは自己責任、行政の息のかかった商業施設以外で人々は憩う価値なしと都市をデザインする そんな最低な街にいまは成り下がっているんだよと誰かひとりでも彼に伝えられなかったのか 日本おたくのヨーロッパ監督に撮らせている、ていうのも動物園の檻を覗いて喜ぶような悪趣味さを加速させてる(ヴェンダースが小津が好きなだけのファッション日本おたくなところは本来好きなんだけど、今回はぜんぶが悪い方向に出てる)

怪物でも思ったけどカンヌってほんとしょうもないというか、エキゾチックジャパン・ワオの威力ってすごいんだな 役所広司自体はいい役者なのに、ワーストなくらいしょうもない演技だったと思う
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