このレビューはネタバレを含みます
主題がわかりやすく、音楽や書籍や脚本ひとつひとつに意味があるのだけどそれがお腹いっぱいに感じた
そういった作り込みや、配役含め、平易に言うとおしゃれに仕上がりすぎていて、今日の気分には合わず
小津作品リスペクトなんだろうけどもヒラヤマという名前もひねくれた解釈をしてしまった
日本で清掃員は最低賃金しかもらえないのに過酷な仕事で虐げられもすることからヒラヤマのように日々の些細な幸せを大切にできる人はすごく限られてるのではと思ったけど、清掃員という役どころに不幸を前提に背負わせようと考えてしまう自分の未熟さが1番嫌になった、、、
あと、公共トイレってめちゃくちゃ汚いので、そういった日本の本当のトイレ事情をヴィムヴェンダースは知ったこっちゃなく当然ほぼ無視したつくり(たしかに描いていたらノイズにもなるわけだが)になっていることもハマらなかった。
TOTOとの企業案件が長尺映画に進化した背景を無視できない、、
トイレは、ゲロまみれで、痴漢に使われたり、さとうかしわデザインのトイレの中は地獄絵図(女子トイレは男子トイレより凄惨かもしれない、使い捨てのカラコンが転がり、マスカラやファンデが荷物置きについていて、使用済みのナプキンがゴミ箱の外に転がってたりする)なので外観をどうこうするよりそもそも中を綺麗にできてない現状
ただ、ヒラヤマは書籍や音楽では多様な愛に触れてきているが、ナマモノの愛に触れるとプライドに触れ、木漏れ日のように揺らぐ清掃員の気持ちを役所広司だからこそ完璧以上にやり抜いていて素晴らしかった
影と影が重なったら濃くなる、そうじゃなきゃおかしいとムキになる、三浦友和とのシーンはプレシャスシーンで超見入ってしまった
あとはラスト1分役所広司のアップは目を離せなくなる名演、日本の宝
考えを整理してたらヒラヤマがどことなく父に似ているタチに思えて私も過剰に反応しているのか？
あとガサツすぎる自分への嫌悪？
まあとやかく言いながら青い魚聴きながら帰る
