これは自分の好きな要素がたくさん盛り込まれている映画だった。
僧侶のようにあまりに淡々とした日々をおくる無口なトイレの清掃員が主人公だけど、その生活にしっかりと幸福を感じていて、多少風変わりな他人に対してもしっかりと心のこもった笑みを見せる寛容さも持ち合わせている。実際に彼に会ってみたいと思えた。
映像は現在の等身大の東京の記録のようにも見えて、地方に住む自分には興味深い。
木々の間から溢れる木漏れ日も、夜の光も、とてもきれい。
コメディのようなユーモアのある場面も散りばめられていて、静けさでいっぱいの映画だけれど、笑ってしまうシーンも多々あるのがよかった。
柴田元幸さんや芹澤興人さんといった自分が好きな人たちが一瞬登場したのも嬉しい。
東京にはあんなにたくさんスタイリッシュな公衆トイレがあるのか。