“影って重なると濃くなるのかなあ?結局わからないことだらけだ”
東京のトイレ清掃員平山の、箒を掃く音で目を覚まし、缶コーヒーを買って、通勤用のカセットテープを選ぶ毎朝からはじまる日常を綴る。お昼には神社の、「友達の木」の写真をフィルムにおさめる。銭湯に入り、いつものお店で晩酌をする。パーフェクトデイズ。
ポテトサラダにカセットテープに木漏れ日とフィルムカメラ。好きなものが似ていて嬉しい。
歳の取り方ってわからないなあってなるこの頃。何かを成し遂げたいとかはないが、やさしい人になりたいと思う。笠智衆さんの平山や、今回の役所さんの平山のように、やさしい微笑みの似合うやさしい人。
昔、パリテキサスやベルリン天使の詩を大背伸びしてインプットして、イケてる気になっていた頃より、自分の中にスッと沁みこんできた。
劇中のタカシの言葉を借りるなら、「10のうち10くらい最高」な映画!