中野シネマ

WILLの中野シネマのレビュー・感想・評価

WILL(2024年製作の映画)
4.2
残酷さを受け入れて、生きていく

狩猟、生、血、肉。殺して、生きる。そのサイクルの中に自分たちの命がある。

普段食べてるお肉はこんな殺生ののちにいただいてるお肉なんだよ〜とかうわべをなぞる映画じゃなかったのが、この作品の素晴らしいところで、ただ日常として、その環境の中に身を置き、自然界の命に敬意を払い、いただく。田舎特有のわずらわしい人間関係も受け入れ、その中で生きる。

東出くんは同じ1988年生まれ。
山の中で生きながらも、お芝居の仕事が第一にあって、役者の仕事が好きなんだな〜と嬉しくなった。

自分の人生を狂わせた週刊誌の記者の突撃に、狩猟とパパラッチの共通点というか、獲物を捉えるという点では一緒だね、って視点で酒を交わすシーンが印象的。

過去がどうとか善とか悪とか区別せず、ただ受け入れる。とてもカッコいい映画でした。
中野シネマ

中野シネマ