マイペースにブレることなく、
今を生きていたい。
と思っていても、
人と関わる以上そうもいかない。
欠員が出れば銭湯には行けないし、
給料日前に金を貸したら、行きつけの店に飲みにも行けない。
関わりの中で、人は日々変化をしていく。
人を車に乗せた次の日は、
なぜかメガネの置き方が変わったりする。
昨日、ぼくは営業先でお客さんと話をした。
昨日、ぼくは8月に出る舞台の台本読みをした。
明日観る『PERFECT DAYS』はきっと違った見え方になるだろう。
今は今だし、今度は今度なのだから。
映画の宣伝に「ドキュメンタリータッチ」と書かれていたが、そんな生やさしいものではない。
ドキュメンタリーこそ本来作為的で、ドキュメンタリータッチの映画の多くは余計に作為的だ。
リアリズムはむしろ、フィクションの中にこそ現れる。
そのような意味で、『PERFECT DAYS』は緻密に練り上げられたフィクションである。