しゃび

PERFECT DAYSのしゃびのレビュー・感想・評価

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)
5.0
マイペースにブレることなく、   
今を生きていたい。

と思っていても、
人と関わる以上そうもいかない。

欠員が出れば銭湯には行けないし、
給料日前に金を貸したら、行きつけの店に飲みにも行けない。

関わりの中で、人は日々変化をしていく。

人を車に乗せた次の日は、
なぜかメガネの置き方が変わったりする。


昨日、ぼくは営業先でお客さんと話をした。
昨日、ぼくは8月に出る舞台の台本読みをした。

明日観る『PERFECT DAYS』はきっと違った見え方になるだろう。

今は今だし、今度は今度なのだから。


映画の宣伝に「ドキュメンタリータッチ」と書かれていたが、そんな生やさしいものではない。

ドキュメンタリーこそ本来作為的で、ドキュメンタリータッチの映画の多くは余計に作為的だ。

リアリズムはむしろ、フィクションの中にこそ現れる。

そのような意味で、『PERFECT DAYS』は緻密に練り上げられたフィクションである。
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