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落下の解剖学のyuuのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.3
小説を読んでるかのような重厚感。ただもうちょっと簡潔にしてほしかったな。。。

簡単な内容は、人里離れた雪山の山荘で、視覚障がいをもつ11歳の少年が血を流して倒れていた父親を発見し、悲鳴を聞いた母親が救助を要請するが、父親はすでに息絶えていた。当初は転落死と思われたが、その死には不審な点も多く、前日に夫婦ゲンカをしていたことなどから、妻であるベストセラー作家のサンドラに夫殺しの疑いがかけられていく。息子に対して必死に自らの無罪を主張するサンドラだったが、事件の真相が明らかになっていくなかで、仲むつまじいと思われていた家族像とは裏腹の、夫婦のあいだに隠された秘密や嘘が露わになっていく。。。というような内容でした。

昨日はアカデミー賞ということで、仕事だったので全部は観れませんでしたが、観ていたらやっぱり色々な映画観たくなりました。そんな今作は前々から観るか迷ってて、しっかり触発されたので観ることに。

沸々と伝わってくる脚本の綿密な感じと小説のような重厚感がありました。物語の進み方や構成、そしてノンストレスの撮影の仕方など繊細な感じがすごく伝わってきました。

ただ152分はちょっと長すぎたような気がします。もうちょっと簡潔にまとめて欲しかったような気がするけど、そうすると小説のような重厚感は無くなってしまいそうだから難しいですね。ただ個人的には自分の好みなどには合わなかったような気がしました。

映画でよくあるような法廷劇!みたいなのは、実際は今作のように淡々としていて、検事は冷酷かつ卑しくあるのかなと思いました。こういう方がリアルさが伝わるし、緊張しながら観てしまいますね。特に録音での夫婦喧嘩が流れるシーンは緊張感とか、呆気に取られてしまいました。
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