金柑

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーンの金柑のレビュー・感想・評価

4.4
演出も脚本も役者も3時間半ずっと凄くて、というのは別にド派手なことしてるわけではないんだけ全ての質がずっとしっかり高くて、尺の長さを感じさせないほどずっと身が詰まり続けていたという感じ 充足感がすごい どれか一要素でも中途半端なクオリティなものがあったらここまで集中できないわけだよ すげえよ…
後半刑事(?)が来てから急なスピードアップを感じたけど、さすがにあれくらい巻き返してくれたおかげで疲れすぎずに最後までいけたと思う 絶妙

映画館で見逃したのちょっと後悔してたんだけど再上映滑り込めて本当に良かった スタッフロールでの風と虫の音は家のテレビじゃ絶対浴びられない
ここぞと差し込まれる圧倒的な遠景、局所的な幻想、一匹のハエ、証言中アーネストだけを映し続ける時間

小物感のあるディカプリオをあまり見たことがなかったのでとても新鮮だった。悪事をしているんだけど妻子を愛していることもまた事実。デニーロのいかにも善人なのに当たり前のように悪事の指図をしたりさせるよう導いたりしている姿もすごかった。演じているとか忘れさせてこういう人っている、と思わせる二人だった、圧巻。
リリーグラッドストーンの芯のある静かな強かさもとても良くて

それにしてもラストの演出、あれ普通だったらスタッフロール前か中に写真と字幕でやるやつをああしてしまうの 当時の人々はああやって知って消費してたわけで我々もそうさせられている

数年前に一挙放送?してた映像の世紀はノルマのように消化してしまってあまりきちんと覚えていないのを反省してるんだけど、でもおかげでフーヴァーの名前だけはオッて思えた

急に出てきたブレンダンフレイザーの台詞がびっくりするほど聞き取りやすくてもはやちょっと笑ってしまった
なーんか見たことあるおじさんと思ったらスコセッシ本人だった
あと牧場の様子見に来た人もすごい見覚えある気がしたけど役名忘れた

ディカプリオがあの役柄を演じたことについての記事を最初の日本公開当時に見かけた気がするけどなんだったっけな
金柑

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