Taul

落下の解剖学のTaulのレビュー・感想・評価

落下の解剖学(2023年製作の映画)
5.0
最後は真相はもう明らかにしないでいいと思うほど、素晴らしい脚本による問いかけ映画。落下死をめぐる法廷劇であり、謎解きの興味は根底にありつつ、だんだん夫婦をネタにした露悪的な創作合戦に。フランスの法廷はエスプリを競い合ってるみたいだし、憶測で盛り上がるSNSへの批評のようでもあった。『TAR/ター』を思い出したが、性別、性的指向、見た目、国籍などのバイアスまみれで、見てる自分もぐらんぐらん揺れ続ける。現場の雪の中の一軒家とあの高さが絶妙で、リアルなようで現代の寓話的な雰囲気も感じたりした。
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