Omake

枯れ葉のOmakeのレビュー・感想・評価

枯れ葉(2023年製作の映画)
4.0
今年1本目の映画だった。監督作品を見るのも初めてだと思う。

秋にフィンランドに行ったことがあって、彼の地の生活と人々に興味を持った。

隣国はロシアなので、今起こっているウクライナとの戦争の様子が作品の背後に流れている。

その影響で光熱費が軒並み上がって生活は苦しくなる一方だ。

その日その日をようやくやり過ごしているいわゆるクソみたいな生活を送っている人々はヨーロッパでは増えてきている。


男はアルコール依存症で、職場でも酒が手放せない。おそらく家族はない。仕事も危険で辛いものだからまた酒を飲む。そんな悪循環だ。

女はスーパーマーケットのレジと棚の商品管理を行う。賞味期限の切れた廃棄処分の’ゴミ’を持ち帰ろうとしたことが監督者に見つかり職場を追われる。

まだ食べられるものを捨てる社会のシステムを支える側が出世をし、そしてそれを拾って持ち帰ったら仕事を失う社会とは一体なんだろう?

救いがあるとしたら、彼女の同僚たちが彼女に連帯を示したことだ。こんな職場は辞めてやる。しかし、明日の食い扶持はどうしよう?

クソみたいな社会でクソみたいな生活を送っている孤独な中年男女がカラオケスナックで出会い恋に落ちる。

クソみたいな人生がバラ色に輝き始める。
しかし、フィンランドは寒い。恋の始まりは木枯らしに吹かれてさまよう。

果たして彼らの恋の行方は?

感情が抑制されたトーンで進むお話。ここ笑うところなのかな?と戸惑いながら見た。
いやそうか、笑わなくてはやってらんないよな。


はたして、人生とは苦行なのだろうか?


——
Title:
Fallen Leaves
Foglie al Vento
Omake

Omake