Omake

まだ明日があるのOmakeのレビュー・感想・評価

まだ明日がある(2023年製作の映画)
5.0
イタリアにいながら普段あまりイタリア映画を見ていない。

というのも、セリフが方言のことが多く、映画でよく舞台となるローマやシチリア、ナポリやカラブリアなどの方言は私の住んでいる地域の言葉と違いすぎて、わからないことが多いからだ。

それでも、このローマ方言で語られる作品はこちらの友達が行こうと誘ってくれたので見に行った。

監督と脚本、そして主演女優を務めているパオラ・コルテレージはこちらでは著名なコメディアン。風刺の効いたモノマネが上手いらしい。

その彼女の初監督作品なのだが、公開された途端、大評判で、私の住む田舎町でも期間延長で上映していたくらいだ。

舞台は1950年台のイタリア・ローマで全編モノクロの映像となっている。

ある一家の日常を描いた物語だが、
主人公の女性は、三児の母であり、夫と、夫の父親と一緒に暮らしている。

家事と育児の合間に、裁縫や傘修理などで小遣いを稼ぎ家計を助け、寝たきりの舅の世話もしている。この時代、イタリアで女性の地位は非常に低く、夫の言うことは絶対的な力を持っていた。

女性の置かれた立場の酷さを体験することにもなるが、素晴らしい作品だったので、機会があればぜひ見てほしい。

映画が終わると劇場は拍手に包まれ、一緒に行った男友達も涙ぐんでいたほど。
男性にもぜひ見てほしい作品です。

なるべく情報を入れずに観ることをおすすめします。



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Title
C’è ancora domani
Omake

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