超先行上映にて鑑賞。
なんかいい意味でも悪い意味でもA24の悪趣味なエッセンスが凝縮されているような映画だった。地獄のアウシュビッツ収容所の隣で幸せそうに生活を営むドイツ人一家。その異常性を画面の外から聴覚的に訴えかけてくる試みは斬新だとは思う。画面上は誰も死なず血は一滴も流れないのに観客に恐怖心を与える演出。ただそのいかにも「これ、誰もやったことがない革新的なやつでしょ？」って感じの制作側のしたり顔があけすけに見えてきて正直辛かった…。
そんな作品がユダヤ系の多いハリウッドで持て囃されている現状も含めてなんか気持ち悪いし、暗澹たる気持ちにさせられる…。主人公にだけカメラのフォーカスを当てて周りをぼやかした攻めた作風で、同じくアウシュビッツ収容所を題材にした『サウルの息子』の時にも感じた違和感。テクニックに走りすぎて大事なものを置き去りにしているような気がする。監督の出世欲の為に歴史的な悲劇が利用されるのは悲しいよ🥺
