次男

タイタニックの次男のレビュー・感想・評価

タイタニック(1997年製作の映画)
4.4
恥ずかしながらこの巨作を観たことなく、初鑑賞。ど名作だった。3時間超、虜だった。ど名作だった。

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もうね、30目前のおっさんがね、トロけましたもの。これぞロマンスですよ。船首での例のシーンとか、さすがに初見じゃないですけど、ロマンスの塊ですよ。あまりのロマンスに泣きかけましたもの。
ロマンスはとりあえずこれ基準で、あとはどの亜種が好きかな〜なくらいの、ロマンス原種。

ローズの抱える不満と現在位置はわかりやすくキャッチーで、そのローズ目線で描かれたジャックは、羽根が生えたように自由で美しい。

とにかく美しく描かれるふたりの恋愛。
もちろん恋愛にあるのは美しい時間だけじゃないけど、だからこそ、その美しい側面だけを切り取られてたこと自体が、残酷なほどにふたりの恋愛が短い時間だった悲しさを強く感じさせる。


ジャックの手を離したローズは、ダイヤを持ち続けたローズは、って考えると、また奥ゆかしいんだよなあ。

あと、名前がいいよね。ジャックとローズ。

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ジャックとローズの話ではあるのだけど、死を前にした人々の行動も大きなテーマのひとつ、胸を打つなあ。

富裕層と貧困層、乗客と船員、あらゆる立場の違いを目の当たりにした上で、その正論を携えた上で、生々しさになにも言えない。金持ちを非難することも、我先に救命ボートに乗った社長を詰ることも、できん!それくらいの迫力。

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三時間を超えるこの映画が異常なほど観やすかったのは、ストーリーテリングがうますぎるからじゃないかと思う。

ジャックとローズのラブロマンスはトロけて観てたのでなんも言うことないけど、船が沈没へ向かうとき、次になにが起こってなににハラハラすればいいのか準備できてるのは、ど頭の沈没の解説がバキバキに効いてたから。良い意味で「二回目観てる感じの楽しさ」に近いのかなと思う。

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…まあ、とにかく素晴らしかったなあ。
古典戯曲のようなロマンスであり、「私はタイタニックのことを何もわかっていなかった」と言わしめる歴史映画であり、壮絶なパニック映画であり、様々な人間を描いた群像劇であり。好き嫌いを差し置いて、「これぞ映画!」と思った。食わず嫌いしててごめんなさい。


オヨヨと感動したあと、三時間分の尿意を解放しにトイレへ立ったとき、鏡に映った自分を観て少し悲しくなった。ディカプリオ美しかったなあ…。
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