綾

タイタニックの綾のネタバレレビュー・内容・結末

タイタニック(1997年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

午前十時の映画祭にて。

本作をスクリーンで観られる歓びに、開始早々胸がいっぱいで泣いてしまった。映画館で観るのは、6年前のシネコン3D以来!あぁ 幸せだ〜!

初めて観たのは小学生の時。お家にあったVHSで。
冒頭のおっちゃん達は誰やろうとか(トレジャーハンター)、アンドリュースさんって結局何者なんやろうとか(船の設計者)、理解しきれていない部分は多々あったけど、ぐっと引き込まれて忘れられない映画体験の一つになった。
当時は、なんて美しくて切ないラブストーリーなんや…という感動が先行していた気がする。ジャックやローズの運命的で強い愛に純粋に憧れたなあ。

中高生になってからは(シネコン3D上映を観に行ったのもこの頃)違う、これは単なるラブストーリーやパニックムービーなんかじゃない、タイタニック号と運命を共にした、名も無き人々の物語なんだ…と思うようになって。ますますこの作品への愛が深まった。
最後まで演奏を続ける楽団、ベッドで抱き合う老夫婦、お伽話で子どもを寝かしつける母親……沈みゆくタイタニック号で、乗客達がそれぞれの終末を迎える姿に堪らなく涙した。
映画と史実との違いを知り(一等航海士マードックさんの最期とか)、現実世界で沈没事故の犠牲になった人々に思いを馳せるようになったのも、この頃。

そして今、何より心響くのは「彼が私を救ってくれた、それもあらゆる意味で」という台詞と、馬に跨がるローズの写真。
ジャックがローズを“あらゆる意味で”救い、ジャックはローズの中で永遠に生き続ける、そんな二人の愛の形に何より胸が熱くなった。人と人との出会いが、人生を大きく変えてくれるのだと。
あと「ジャックの生きた記録はどこにも残っていない」という台詞に、ジャックの存在そのものが、名も無き犠牲者たちへの鎮魂の祈りなのかもしれない…って。深読みかもしれないけれど。

そうそう『すばらしき映画音楽たち』で作曲家ジェームズ・ホーナーの追悼映像を観たから、音楽を聴くだけでいつもの数倍感極まったなぁ。やっぱり凄いや、タイタニックのテーマ。心底名曲やわ…。
映画にとって、音楽の力はあまりに大きい。ジェームズ・ホーナー、素晴らしい音楽をこの世に生み出してくれてありがとう。

観るタイミングや年代ごとに、受け取り方や感じる部分・深さが変わっていくのは、「自分にとって大切な作品」の共通点だと思う。
年を重ねて、今とは違う何かを感じられる日がくるかもしれないと思うと、未来が楽しみになる。

はぁ…なんにせよ、スクリーンで観る名作は格別だなぁ。上映期間中にもう一度、スクリーンで観たいなぁ。あぁ幸せだ〜〜〜!

今はただただ、至福の時間をありがとうございます!キャメロン監督!午前十時の映画祭!この作品に関わった全ての方々!って気持ちです。


追記
恋に落ちたシェイクスピア、いまを生きる、素晴らしき哉 人生!、ライフイズビューティフル、バックトゥザフューチャー。
鑑賞記録を数えてみたら、午前十時の映画祭、まだ6作品しか観てなかった。(もっと観た気になってた…)
今年は、知らない作品にも沢山挑戦したい!と意気込んでいます!早起きするぞ!
綾