ツクヨミ

コロニアの子供たちのツクヨミのレビュー・感想・評価

コロニアの子供たち(2021年製作の映画)
1.9
あくまでも子ども目線で見た管理された歪な社会の現実。
ミニシアターで"オオカミの家"と抱き合わせで上映されていた本作、コロニア・ディグニダの予習復習として見に行ってみた。
まず本作は2010年ごろまでチリに実在した"コロニア・ディグニダ"という元ナチスが作ったコロニーの話になっている、それを新しくコロニーにやってきた少年目線で物語っていく。統治者による管理された閉塞感.規則を破った者には小さな拷問やハラスメント.理不尽なルールにがんじがらめな管理社会.統治者のみによる性加害があったりとまあ胸糞な事実を淡々と見せるストーリーは静かながら恐ろしい。
あとポイントは閉塞したコロニーを映すショットがまあ美しいこと、最近記憶に新しい"アシスタント"でも見られる室内構図で閉塞感を表現する好例であろう。左右対称+奥行きの固定ショットであるがズームインアウトしても構図が崩れないのはなかなか。
しかし事実として胸糞でしんどい話であるのはわかったのだが、あくまでも淡々と辛い話を語っているだけでそれ以上は何もない気もする。こういうとんでもない場所がありましたー、逃げれてよかったねーなエンドで特に何か期待していた訳ではないが映画的な良さはビジュアルにしか見出せず。まあコロニアディグニダのえぐい現実を知るには一番とっつきやすくてわかりやすかったのは良いし、勉強になったね。
ツクヨミ

ツクヨミ