7子

瞳をとじての7子のレビュー・感想・評価

瞳をとじて(2023年製作の映画)
5.0
映画を観る者・愛する者が、映画を観ることを通して、さまざまな欠片を引き受けるということ。手放されることのなかったチェスのキングの駒や少女の写真のように。その欠片は、シーンやシークエンスだったり、一瞬の画だったり、言葉や音楽や音だったり、それを受けて自分の内に生じる感情や考えや何とも言えない心の揺らぎだったり。映画そのものは虚構だとしてもその欠片たちは紛れもない真実というか。たとえ記憶を失っても、ただどこかに追いやられたとしても、跡形もなくなったとしても。ビクトル・エリセと書いて、映画(と映画を愛する者)を信じる気持ちと読みたいくらい。本当にすごい。
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