元アイドルで、仕事も恋もうまくいかず焦るアラサー女性が、見知らぬおっさんと同居生活を始めて、自分を見つめ直す話。
正直なめてた。
だいぶ前から劇場で予告がこれでもかってくらい流れてて、なんとなく暇だったら観てみようくらいに思ってたのを観てみたら、予想以上に良かった。
設定自体は、歳の離れた奇妙な2人がおくる、ほのぼの日常系で、言ってしまえば似たようなフォーマットはよくあるものなのだけれど、主人公のなんか生き急いでる感じが、自分に似てて凄く刺さった。
主人公が色々悩んでしまった際に、同居人のおっさんことささぽんがかける言葉が、変なアドバイスや全肯定の言葉なわけでもなく、ただ気持ちをすぅーっと軽くしてくれる言葉なのが良い。
また主人公の美人の友人景子も凄く良い。
主人公の一番欲しいタイミングで、一番欲しい言葉や接し方をしてくる。しかも美人で、人が出来すぎてる。
そのほかの周りの人も凄く良い人ばかりで、正直全然つんでない。
ただ本人はキラキラしたアイドルも、カッコよくて働くこともつまずいて、恋人もいなくて、風呂無しアパートで暮らす現実の自分と、夢見た自分や周りの友人とのギャップに焦って、自虐しながら自我を保つのにいっぱいいっぱい。
それが、ささぽんと共同生活を始めた事で和らいでいく。
そういう生きづらさが、なんか自分にもあって、凄く共感できた映画。
主人公がどんどん人間らしくなって、不思議と可愛く見えてくるのも良かった。