たぬー

哀れなるものたちのたぬーのレビュー・感想・評価

哀れなるものたち(2023年製作の映画)
4.3
自殺した妊婦の胎児の脳を母親に移植し蘇生して生まれた女性の往きて帰りし物語。

薄気味悪い設定だがこれはバービーを想起させるようなフェミニズムをテーマにしたブラックコメディ。
映画が始まってすぐにウィレム・デフォーが口からシャボン玉を吐き出すシーンに爆笑。
去勢された男性によって産み出された美しきフランケンシュタイン(の怪物)ベラがさまざまなパターンの男性の有害性にイノセントにツッコミを入れてゆくのが痛快。
作り込まれた美術と独特すぎるサウンドで奇妙で虚構性の高い世界観を構築している。エンドロールまで作り込まれているのには驚いた。舞踏会のシーンのエマストーンのダンスも素晴らしい。あの楽器なに?
登場するキャラクターはいちいち一癖あり、「普通の人」は一人も出てこない。

奇妙なサウンドに包まれる体験が肝要なのでぜひ劇場で。
たぬー

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