好みだと分かってたけど、めっちゃくちゃ良かった。生理的に好き。
バービーとテーマは近いけど、圧倒的にこちらが好き(バービーも好きだけど)。
自殺した若い母の身体に、胎児の脳を移植され復活した女性の話。
監督の前作『女王陛下のお気に入り』のレイチェル・ワイズのように、初めのうちはうまいこと手懐けていたかに思えていた生娘(どちらもエマ・ストーン)に、気づけば翻弄され、やがては破滅していくマーク・ラファロが滑稽だった。
全編に渡って監督の美意識がビシーっと貫かれており、エンドクレジットの文字組みに至るまで、うっとり見ていた。
ウェス・アンダーソンとか、美意識ビンビン系の作家映画はともすると隙のなさが息苦しさに繋がったりもするけれど、本作はただずっと浸っていたいと感じる余地があり、2時間半、溺れ続けていた。
美術も衣装もロケ地も音楽から役者、書体まで、何もかもが素晴らしかった。
ランティモス監督は、グッチのキャンペーンビジュアルを担当するくらいの人だから、絢爛豪華なファッション映画としても眩しすぎた。
幼女のような動きから、後半に向けて理知的な女性に見事に変化していったエマ・ストーンすごい😍
登場人物全員が罪深く、哀れなるものたちだなあと思った。
あと。
地元でもやってたのに、用事ついでに新宿で観たんだけど、ほぼ満席で、シニカルな笑いのポイントにも観客は笑っていて、とても客層がいいなーって思いました。地元の映画館はファミリー層が多いからか、なんか澄ましててクールなんだよな…。絶対あそこの客はエロネタ・グロネタで笑ったりしない。
内容に合わせて映画館を選ぶのも、大事だなって思いました。それも映画体験の一つですから。